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自身の安全を守るために白杖を持ちましょう

 道路を歩く際に全盲の方が白杖を持って歩行するのは当たり前ですが、弱視でも白杖を持つように定められていることはご存じですか。ただし、この場合は「目が見えない者」「目が見えない者に準じる者」と表現されていますから、私のような強度の弱視ということなんだろうと思います。今回は「そんな弱視に白杖は必要か」というお話です。 
 弱視って見えてるフリしたくないですか。以前の私はそうでした。また、白杖って手が一本ふさがるし邪魔だなぁ、とも思っていました。私の母(さらに強度弱視)も同様のことを言っていました。さらに彼女は「細川たかしのディナーショーに行った時しか持ったことがない」などと不謹慎なことを言っていました。魂胆は見え見えです。
 それでも最近は地元以外では必ず白杖を持つようにしています。これは道路交通法の影響だけではありません。私は月に2回程度、出張で県外に行きますが、特に都会では白杖の威力は絶大で、大混雑の人たちが私をよけて歩いてくれます。「モーゼの十戒」のように。また、見えにくい段差などの足元も瞬時に確かめられます。さらに、ちょっと困ってウロウロしていると周りの人が声をかけてくれます。白杖は足元を確かめるためだけの道具ではないことを身をもって知った私は考えを改めました。
 最近の白杖には「シンボルケイン」というジャンルの物が多く登場しています。これは強度よりも携帯性を重視したもので、私の愛用している物もこれです。折りたためば長さは27センチ程度で、折りたたみ傘のようなものです。カバンに簡単に収納できます。自身が視覚障害者であることを周囲に知らせ、時々足元を確認するだけならこれで十分です。使い慣れてしまえばそれほど面倒でもありません。それ以上に得られるものは大きいと思います。また、私も母も最近は改心して体重をかけても大丈夫なT字杖タイプの白杖を持ち歩いています。彼女なりにその有用性に気付いたようです。
 このように白杖は全盲の方が足元を確認して歩くための道具から進化しつつあります。我々も白杖の使い方(場面)を考え直してみてもよいのではないでしょうか。四六時中は持たないで必要に応じてでも良いと思います。皆さんのライフスタイルに応じて持っていれば助かる場面がきっとあるように思います。「細川たかしディナーショー」以外にも。

外出自粛下での筋力維持

2020年4月27日
 本来なら今月は富山駅と、とやマルシェの改修に伴う視覚障害者の移動の安全性や利便性についてまとめるつもりでおりましたが、コロナウイルスの感染拡大により、とやマルシェは休業中で外出しない方が安全とされる世の中になっています。
 そこで今回はいつかコロナが治まった時、元気に安全に外を歩いていただくため、今、家の中でできること、体力の維持・向上について書かせていただきます。
 ご承知のこととは思いますが、人の筋肉は使わないと衰えます。そのうえ、それを取り戻すには時間と苦労が伴います。これを「廃用(はいよう)症候群(しょうこうぐん)」最近では「生活(せいかつ)不活発病(ふかっぱつびょう)」と言うそうです。特に我々視覚障害者は健常者に比べ運動量が少なくなりがちで、自宅にこもる生活が長くなると筋力・体力ともに落ち込むことが予想されます。
 しかしながら、意味もなく何十分も家の中を歩き回ったり、運動の時間を作って筋力トレーニングを行うのもなかなか続けられるものではありません。そもそも楽しくありません。
 そこで、私が通所リハビリの理学療法士としてご利用者様方にご提案・ご指導させていただいている、日常生活の中に簡単に組み込める、特に足腰の筋力維持・向上の方法を書かせていただきます。
 それは3種類の歩き方で、家の中を歩く際に実施していただくだけです。特に時間をとって何かをしていただく必要はありません。歩き方を変えるだけで、あとはいつもどおりにお過ごしください。注意点としては、あくまでも「家の中で行う」ことと、「歩幅は控えめに」の2点のみです。
第1選手 つま先上げ歩行
 両方のつま先が床につかないようにほんの少しだけ上げて歩きます。バランスに不安がある方は上げるように意識するだけで十分です。これはつま先が地面の凹凸などに引っかからないように前脛(ぜんけい)骨筋(こつきん)などを鍛えるプログラムです。
第2選手 かかと上げ歩行
 両方のかかとが床につかないようにほんの少しだけ上げて歩きます。バランスに不安がある方は上げるように意識するだけで十分です。これはバランスを崩した時に踏ん張れるように下腿(かたい)三頭筋(さんとうきん)を鍛えるプログラムです。
第3選手 ひざまげ歩行
 両方のひざをほんの少しだけ曲げて歩きます。たくさん曲げるとひざへの負担が大きくなりますからご注意ください。これは立っている姿勢でのバランスや安定性を高めるために、骨盤周囲筋(しゅういきん)や大腿(だいたい)四頭筋(しとうきん)などの足腰全体の筋肉を鍛えるプログラムです。
 以上。簡単ですよ。どれくらい続けるかは人それぞれで、疲れたり飽きたりしたら選手交代してください。
 ここまで読まれてお気付きの方もあるかと思いますが、これらは「長く歩くための持久力」よりも「転倒を予防するための瞬発力」を重視したプログラムです。長く歩けることはもちろん大切ですが、私は、まずは転ばないことからと考えています。これらのプログラムは負荷や持続時間を変えることで、若い方から高齢の方まで適応できる幅広いものです。シンプルで安全性も問題ありません。ぜひお試しください。コロナが治まるころにはムキムキの下半身を手に入れられるはずです。
 今回は利便性委員会のお知らせ4回目にして早速の脱線でした。こんなご時世だからとご容赦いただき、こんなご時世だから書いた{お知らせ}とご納得ください。コロナが過ぎた後の明るい未来に向けて、金(おかね)だけでなく筋(筋肉)もため込んでおきましょう。

手引きとコロナ

2020年7月31日
 予定では、技術的な「手引きのされ方」について取り上げるところだったのですが、新型コロナウイルスが視覚障害者に大きな影を落としている昨今の状況を考えますと、避けては通れないと思い、このテーマといたしました。「され方」については、また回を改めてお知らせしたいと思いますので、ご了解ください。
 さて、言葉によるコミュニケーションや接触による情報入手が社会生活に大きな意味をもつ視覚障害者にとって、コロナが及ぼす生活全般への影響は計り知れないほど大きいものがあります。外出によって歩行・移動しながら情報を得て目的地へ誘導してもらう「手引き」も例外ではありません。
 コロナの問題が大きくなってきて以降、手引き者・視覚障害者双方に「相手からうつるのではないか」「相手に知らぬ間にうつすのではないか」という不安が生まれ、外出にも支障を来すようになりました。
 もちろん、この不安自体は否定されるべきものではありません。
 ただ、結論を「0か100か」とする姿勢があると、手引きは成立しにくくなるのではないかと考えます。
 「0あるいは100」とは、例えば
・うつるから、あるいは、うつすのは嫌だから、手引きはやめよう。手引きしてもらうのはやめよう。
・何も心配しないで手引きしよう。手引きしてもらおう。
という姿勢です。
 「コロナを正しく恐れよう」という言葉があるのは皆さんもご存じのことと思います。体調管理やマスク着用、手洗い・消毒という根本的な感染予防対策を施したうえで、どうすれば不安を最小限にして手引きに臨むことができるか、このことを双方が事前に十分話し合っておく姿勢が何より必要ではないかと思います。
 今、手引きを受けておられる方の中で、コロナに関連して「こんなルールを決めている」「こんなとき困った」などの事例がございましたら、ぜひセンターへお寄せください。また「技術編」でご紹介させていただきます。
 では、皆さん、熱中症予防もお忘れなく、暑い夏を元気に乗り切りましょう!

単独歩行される皆様へ

2020年8月25日
 今回は、8月7日のメーリングリストで「富山駅北口歩行通路及び地下通路について」を発信しましたことに関連し、利便性委員会として、3点に絞った歩行上のアドバイスをさせていただきます。
1 横断歩道や踏切をずれないで横断するための留意事項
  横断歩道等を横断する際のエスコートゾーンや音響装置は安全に渡るための大きな助けとなり、踏切においても途中のレールを足裏で直角を確認しながら渡ることも大事なテクニックとなります。ただ、これらはあくまでも補助的要素とするべきであり、体を適正な向きに保つことが基本的な対策と言えます。
  では、どうするかということですが、横断歩道や踏切前の誘導ブロックは、横断後の誘導ブロックと方向が一致しています。したがって、横断前に誘導ブロックに沿って歩いてきた体の向きをそのまま保持して歩く意識・感覚が必要になります。
  横断時に歩く方向が変わってしまう原因の一つに、横断前に止まった際、体の向きが変わってしまうことが多いとされています。このことを防ぐためには、「停止位置を認識して止まった際に足の踏み替えをせず、そのまま横断のためのスタートに備える」という姿勢が必要です。
2 点字ブロックのどちら側を歩くか
  頭の中の地図はできているが、まだ歩き慣れていない、距離感もつかめていない、そんなルートを歩くことはよくあると思います。右左折しながらも一本道ならそんな心配はあまりありませんが、避けたいのは、分岐して曲がる道を見逃してしまうことです。
  そこで、次に曲がる方向がわかっている場合、例えば左折することがわかっている場合は、点字ブロックの左側に位置して歩く、あるいは右足は点字ブロック上、左足は点字ブロックから外れて歩いていれば、左折点字ブロックを見つけやすいし、それで見逃しても足裏で発見する可能性も大きくなります。
  もちろん、この場合は、点字ブロックの左側の安全性が保たれているという前提での方法ですので、状況に応じて活用してみてください。
3 白杖操作の使い分け
  白杖の代表的な操作法と言えば、左右にトントンと白杖の先を路面に触れながら歩く「タッチテクニック」と、ズリズリと撫でるようにしながら歩く「スライド法」があります。実際に白杖歩行をする際は、その特性を理解して使い分けることが重要です。
 (1)タッチテクニック
    歩き慣れている道やわかりやすい道を歩く際に使います。例えば、直線の誘導ブロック上、車道との区別が明確な歩道、車の往来が少ない住宅街等で、スライド法に比べると歩行速度が上がります。
 (2)スライド法
    歩き慣れていない道や難しい道、特に安全が求められる場面で使います。
    例えば、障害物の多い路地、道路横断、ランドマークや警告ブロックの発見、駅ホーム等で、タッチテクニックに比べると安全性が上がります。
 今回のお知らせは以上です。一つでも一ヶ所でも参考にしていただけましたら幸いです。お問い合わせは、センターの高島まで。

手引きのされ方 1

2020年11月24日
 手引きについて、第7回では「手引きとコロナ」と題してお知らせしました。手引き中に「コロナを正しく恐れる」一例としては、至近距離で顔を向き合って話すことは避け、必要なときは一旦手引きを中断して、ソーシャルディスタンスを取った上でお話しください。
 今回は技術的な手引きのされ方、受け方について取り上げたいと思います。手引き者の立場からの技術面には特に触れませんので、あらかじめご了解ください。
1 基本の姿勢
 (1)「手引き者と同じ体の向きで、半歩後ろから、肘を曲げた手で手引き者の肘の上を軽くつかむ」…これが、いろいろな動きにつながる手引きの「基本の姿勢」です。
    このとき、相手の肘の上をつかんでいる手の肩・肘・手首の関節3ヶ所を固定させておくのが、コツです。それにより、常に手引き者と同じ体の向きを保つことができるからです。
 (2)つかむ相手の部位は肘の上が基本ですが、2人の身長差が大きい場合などは、部位が肩や手首付近になることもあります。
    つかむ部位は違っても「関節固定」は同様にお考えください。
    また、「肩」であっても意識としては「乗せる」ではなく「つかむ」であってください。そうでないと、うっかり「置いて行かれる」ことだって起こりますよ。
 「手引きされる」と「連れられる」の一番の違いは、そこに視覚障害者の能動性があるかどうかということです。
2 白杖
 手引き中は白杖を持つことが原則です。階段や段差、溝など、手引き者からの情報に加えて、自分でも確かめたい場面はあります。
 長くなりましたので、続きはまた次回といたします。今後の内容として、「狭いところの通過」「安全確保」等を予定しております。「こんなことをぜひ」というご希望がありましたら、またご連絡ください。

手引きのされ方 2

2020年12月23日
3 狭いところの通過
 手引き者から狭いところに入るという声掛けがあったら、軽く1歩内側に入ります。そうすることで、2人の幅がスムーズに1人分の幅になって通り抜けることができます。前の相手の足を踏みそうだったら、つかむ位置を肘から手首付近に変えさせてもらいましょう。
4 つまずきやすい状況に対して
 でこぼこ道や、コードが横たわる室内、エスカレーターの降り口等、つまずくことが心配な場面はよくあります。そんなときは、「すり足」にならず、また、つま先を若干上げる意識をもってください。
5 自らの安全確保
 手引きする人は視覚障害者の安全確保を前提として歩きますが、手引きされる側もその協力姿勢は必要です。一番心配されるのは、おしゃべりに夢中になってしまうことです。もちろん2人のコミュニケーションは必要不可欠で、手引き者はそのうえで情報提供や安全確保に努めています。周囲の危険を察知するアンテナがおろそかにならないよう、歩行に関係のない話題はなるべく手引き中は避けましょう。
6 信頼関係
 信頼関係あってこその手引き。お互い、マナーや約束ごとを守って、安全・快適に終わることができますように。
 2回にわたりお届けしました「手引きのされ方」は以上で終わります。ここで取り上げなかったことも含めて、ご質問がありましたら、いつでもセンターまでご連絡ください。

他者にアシストを求める方法

2021年11月23日

 今回は他者にアシストを求める手段として、ちょっとした話題をご紹介します。

1 白杖でSOSサイン
 私はかなり視力の低い弱視で、10年くらい前から行き先によっては白杖を使っています。知らない土地や人混みでは自分の足元の安全だけでなく、他者に対しても視覚障害者の存在を知らせることで、更に安全を確保できると考えてのことです。
 そんな白杖中途半端使用者の私は知りませんでした。白杖によるSOSサイン。これは身の危険のような緊急事態用ではなく、迷子になったとか、方向がわからなくなったなど、ちょっとしたアシストを周囲の人に求めるものです。やり方はその場に立ち止り、白杖の石突を下にして、持ち手が頭上50センチくらいになるように持ち上げます。あとは誰かが声をかけてくれるのを待つだけです。
 これを実際にやってみた方はいらっしゃいますか。私は見たこともやったこともありませんでした。このサインを使った視覚障害者がいて、それをアシストした人のツイッターがネット上で話題になっています。すでに8万リツイートを超えているそうです。世の中の多くの人が「へー」って思うSOSサインって、どうでしょう。役に立つのでしょうか。
 さて、この方法を知らなかった私が偉そうに言えたことではありませんが、これを機会に私たちが実際に使っていき、その姿を多くの人に見せていけば、誰もが知るSOSサインになっていくのではないでしょうか。いつのことになるかわからない長い話にはなりますが、積み重ねていかないといけないことの一つと思
います。
 「ばえー」な写真を追求しなくても8万リツイート越えとは立派なものです。

2 By My Eyes(ビーマイアイズ)
 これはアンドロイド・IOS用のアプリケーションで、視覚障害者が困った時
にビデオ通話をつかってアシスタントが会話しながら画像を説明してくれるもの
です。
 例えば、目的地の建物には着いたのに入り口がわからない時、ビデオ通話の画像を見ながらアシスタントが行き先の指示をくれます。また、「このシャツにどの上着を着れば色合いがいいのか」などのコーディネートも、ビデオ通話でワードローブを見ながらアドバイスしてくれます。アシスタントは一般人で、特に何かの技能を持っているとは限らない、このアプリに登録している人たちです。ですから、専門的なことには対応できません。責任もありません。おそらく毎回違うアシスタントとつながります。
 それでも、このアプリの最大の良さは「人が答えてくれる」ところです。画像を見ながら見たり読んだりしながら教えてくれるので、問題を絞った質問や確認もできます。自分が何に困っているのかをより正確に伝えられます。そして、なんと、無料です。
 さて、私は実際にこのアプリに登録して使ってみることにしました。そしてびっくりしました。アプリの画面も説明書きも選択肢も全部英語。さっぱりわかりません。それでもがんばりました。間違えてアシスタントする側に登録したりし
ながらがんばりました。結果、登録できました。登録さえしてしまえば、アシストを求めるボタンを押すだけなので、あとは簡単です。自宅で特に困ったことはありませんでしたが、とりあえずアシストを求めてみました。1分ほど待って若い声の男性につながりました。心配しましたが、ちゃんと日本語でした。当方が
初体験であることを伝え、明日着る服を選んでもらいました。5分ちょっとの通話でしたが、丁寧に教えてもらいました。互いの自己紹介も世間話もなし、相手の顔も映りません。それがアシスタントの負担を軽くすることになるようです。
 ちょっと世知辛い気もしますが、これがイマドキのアシストなのかもしれませんね。英語だったり、世知辛かったりはしますが、とても便利なツールだと思います。

 今回はアナログとデジタルなアシストの話題でした。物事に一長一短は付き物ですが、まずは1回、2回と挑戦してみてはいかがでしょうか。

わたくし、コロナになりまして

2022年12月25日

 私、昨日のクリスマスイブからコロナ感染による療養生活に入りました。

 せっかくの体験ですので、コロナに感染するとどうなるのかをお伝えします。ただし、これは現在・富山市に住む私の場合ですので、○○市のルールや××か月後の状況は変わっているかましれません。あくまでも「参考」としてお読みください。

 24日、職場の全員対象の簡易検査で陽性反応が出ました。症状は特にありませんでしたが、すぐに病院に行くように指示されました。病院に行って事情を伝えるとすぐに隔離された部屋に連れていかれました。これが発熱外来のようです。 (どこの病院でも対応してはいないので、街の小さな医院さんに行かれるのなら事前の確認が必要です。)
 そこでPCR検査を受けました。まだ、この時点でコロナ感染確定ではありませんが、簡易検査をちゃんと受ければ精度はかなり高いそうです。熱などのかぜ症状があればこのときに対症療法のお薬を出してもらえます。また、症状が重かったり、自宅での療養生活に問題があったりする場合はここで相談に乗ってくれるそうです。その後、自宅に帰り、おとなしく過ごしていると翌25日の朝に病院から「コロナ陽性」の告げる電話がかかってきました。
 さて、まずは簡易検査についてです。実は私、23日の夜、なんだか不調だなと思い、自宅にて自分で簡易検査をしてみました。この時は陰性でした。この検査は鼻の穴に細い綿棒を突っ込んでグリグリしてから薬液に着け、試験紙に垂らして反応を見るものです。手順は簡単で「拡大鏡を使えば墨字が読める」程度の視力があれば結果も確認できます。ただ、綿棒を鼻の穴のかなり奥まで突っ込まないといけないので、自分でやるとどうしても手加減してしまいます。その点、私の職場の看護師さんも病院の看護師さんも手馴れていますから情け容赦なく奥まで突っ込んでくれます。その違いがあったのかもしれないと今は思っています。
 7日間の療養生活は以前にニュースなどで聴いていたものよりはかなり緩和されています。私はかなり視力の悪い弱視ですが、一人暮らしをしており、日常生活は自立していましたから入院は必要ありませんでした。また、スーパーやドラッグストアーが徒歩圏内にあり、買い出しにも行けます。生きていくには困りません。くわしくは富山県から出されている安心・安全情報と「自宅療養のしおり」をご覧ください。

https://www.pref.toyama.jp/120507/20220727kansen.html

 ここからは少々脱線しますが、療養生活を迎えた私の思うところを2つ書いていきます。
 まずは正確な情報の大切さです。「今」コロナ感染した私の頭の中にあった情報は「1波」や「2波」の頃のものもたくさん残っていました。つまり「今」では間違った情報も混ざっていました。大失敗はしませんでしたが、戸惑うことはありました。
以前に覚えた情報や人づてに聞いた情報は「今」では疑ってかかる必要があります。
テレビ・ラジオ・インターネットなどのメディアを全面的に信用できない昨今ではありますが、情報は常に更新していかなくてはいけません。
 次にインターネットショッピングです。私がよく利用しているアマゾンでは今朝注文した物が明日には届いたりします。運送会社さんのご苦労も大きいのでしょうが、不意の療養生活でトイレットペーパーが切れかけている私にとってはとてもありがたいものです。また、電子書籍なら今買ってすぐにボイスオーバーに読ませることができ、退屈になる療養生活に潤いを与えてくれることでしょう。とても便利です。問題はクレジットカードの利用残高でしょうか。
 最後になりますが、私は人様に感染させまくることもなく、自身が死にかけることもなく、恐怖も退屈もない、ちょっとだけ不便な療養生活に入ることができました。それでも感染しないのが一番です。感染対策に気を付ける一方で、元気なうちに療養生活のイメージを持って、必要な準備をしておかれることお勧めします。

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