富山県内のニュース
市内電車とライトレールが合体
富山駅構内がほぼ完成
とやまロケーションシステム
富山市内電車
ライトセンター周辺のコンビニエンスストア
セブンイレブンとのお話し
無人駅について
富山県内には路面電車も含めてJR西日本、あいの風鉄道、富山地方鉄道、加越能鉄道に170を超える無人駅があります。有人駅に比べて圧倒的な数です。これらの中には駅舎のある駅もあれば、路面電車の駅もあります。
我々、視覚障害者にとってはとても不便で危険なことです。大分県では駅無人化に反対する裁判が進められていますが、この結果が大きく影響してくると思います。障害者にとっては命の危険もあることですし、命はお金では買えないものですが、鉄道会社も公共交通機関の維持と社員の生活がかかっています。なかなか一方的には解決のつかない問題かと思います。
障害者差別解消法により合理的配慮は義務付けられますが、これは何でも健常者並みに利用できることを保障するものではありません。まず、こちらが配慮を求めない限り、配慮の義務はありませんし、配慮の内容も一定ではありません。障害者差別解消法は我々の社会福祉を一歩前進させましたが、そこから生まれた合理的配慮は万能ではありません。我々が何に困るのかを伝え、何をどこまでなら手伝ってもらえるのかをお互いに理解しておく必要があります。
富山県視覚障害者協会では無人駅にどんな問題があるのかを考えています。おそらく、弱視の方と全盲の方では問題点が違うと思いますし、年に数回と、毎日利用するのとでも違いがあると思います。ただ、残念ながら、それらはこちらの想像でしかないため、何といっても重要と思われる、実際に無人駅を利用されて
いる方からの情報を募集します。
皆様の中で実際に無人駅を利用されている方、あるいは、そのような方をご存知の方がありましたら、お知らせくださいますよう、お願いいたします。頂いた情報はまとめて、各鉄道会社に改善をお願いする材料にさせていただくとともに、その結果は改めてご報告いたします。
富山県の鉄軌道
2022年1月30日
今回は富山県の鉄軌道(鉄道・路面電車ケーブルカーなど)についての話題です。
富山県民の視覚障害者としては利便性に注目して「田舎は不便だ」なんて否定的に思いがちですが、全国的にみれば富山県の鉄軌道はバラエティー豊かで鉄道ファンの人気も高いようです。新幹線で首都圏と2時間程度でつながり、路面電車が広範囲に走り、トロッコ電車やアルペンルートのような変わり種もあります。
最近は富山駅で市内電車の写真を撮る人をよく見かけるようになりました。「撮り鉄」といわれる人でしょうか、観光活性化はうれしいのですが、ちょっとジャマです。ちなみにすべての市町村に駅があるのは全国でも富山県だけです。
そんな富山県の鉄道・軌道のお話です。
まずは、あいの風鉄道。「一万三千尺物語」という観光列車が走るようになりました。一万三千尺は約4000メートルで立山のてっぺんから富山湾の底までの高低差のことです。窓が大きく外向きのカウンター席がある特別車両で景色を楽しみながら、豪華なお弁当を食べるもので、富山駅を発着点に高岡駅と泊駅間を往復するものです。専門のアテンダントが付いて、多目的トイレも設置された豪華な車両、そして懐石コースか寿司コースのお弁当付きで15000円。高いか安いかは人それぞれの感性でしょうが、私には乗ってみてレポートする甲斐性
はありませんでした。
つぎに万葉線のお話です。以前から万葉線では「声の車掌」として次の駅や周辺の観光案内を射水市出身の落語家、立川志の輔さんのアナウンスが流れていました。駅間の短いのでアナウンスを最後まで聞けないくらい尺が長いのに軽妙で、声も聞きやすく、たまにしか乗りませんが私も楽しんでいました。先日、久しぶりに乗りましたら「声の車掌」は富山市出身の声優、上田麗奈(うえだれいな)さんに代わっていました。高岡駅を出発したころは「いまどきは落語家よりアニメかなあ」とか「やっぱりオッサンよりお姉さんだなあ」とか思って楽しんでいたのですが。ほとんど駅名しかしゃべらない上に、車両が旧式で騒音が大きいので女性の柔らかい声では聞き取りづらい。これもまた、私の感性かもしれませんが、庄川の鉄橋を越える頃にはオッサンの声が恋しくなっていました。繰り返しになりますが、「富山市」出身の声優、上田麗奈さんです。万葉線なのに。
最後は利便性委員会らしく無人駅のお話です。国土交通省「駅の無人化に伴う安全・円滑な駅利用に関する障害当事者団体・鉄道事業者・国土交通省の意見交換会」によれば、富山県の鉄軌道の駅の無人化率は70.3%で全国12位(無人化率の高い順)。これが自称「鉄軌道王国」の実態です。これには路面電車も含まれています。ちなみに全国で無人駅が一か所もない都道府県が一つあります。さて、どこでしょう。答えは文末です。ちょっと考えてみてください。
線路があること、駅があることは利便性の向上になりますが、我々にとって無人駅が増えることは危険性が高まってしまいます。富山県には公表されているだけで一日乗降客数が100人以下の駅が34か所もあります。富山地方鉄道越中中村駅(滑川市の東端)にいたってはたった8人です。
さて、全国的にみて富山県の駅の無人化率が高いことはわかりましたが、「それでも駅はある」と、自称「鉄軌道王国」らしく肯定的な見方もできます。問題は「その無人駅は安全か」なのではないでしょうか。無人駅の安全性が確保されて誰にでも利用しやすくなってこその「鉄軌道王国」だと私は思います。利便性委員会では引き続き無人駅の安全性について皆様からの情報を募集しています。よろしくお願いいたします。
最後になりましたが、クイズの答えです。無人駅が一か所もないのは沖縄県です。あそこは「ゆいレール」しかないですからね。
あいの風とやま鉄道の不思議ルール
2022年3月12日
今回はあいの風とやま鉄道の障害者割引についてです。
本日、我が家から300メートルのところに、あいの風とやま鉄道の新駅が開業しました。新しい駅は「新富山口」で富山駅と東富山駅の間、下冨居(しもふご)にできた無人駅です。自身が利用するためにいろいろと調べたところ、あいの風とやま鉄道の障害者割引に不思議なルールをいくつか見つけましたので、まとめてみます。
有人駅から乗車する際は有人窓口で障害者手帳を見せて切符を購入します。このとき、従来の紙の障害者手帳だけでなく、ミライロID(マイナポータル連携済み)を見せても購入できます。
ここで不思議ルール①。ミライロIDで切符を買って電車に乗っても、車内で車掌さんに見せるのは紙の手帳でないといけません。ミライロIDで買える意味がわかりません。
無人駅から乗車して有人駅で降車する際、不思議ルール②。なんと、切符は買わずに乗車します。降車してから有人改札で手帳を見せて乗車駅を申告の上、料金を支払います。私はしませんがキセルし放題な気がします。「だったら小人切符で」と聞いてみたところ、「それはダメ」とのことでした。
無人駅から乗車して無人駅で降車する際、不思議ルール③。小人切符を買って乗車します。だっだら、ルール②の「小人切符はダメ」の意味がわかりません。
これらのルールは単独利用でも介護者同伴でも同様になります。私はルール②が面倒なので、富山から新富山口間の障害者割引回数券を買ってきました。3ヶ月で11回乗車するように頑張ります。
さて、話は少し変わりますが、近距離単独利用での障害者割引は富山ではJR西日本以外で受けられます。ですから割引があって当然のように思われがちですが、都市部ではほとんどありません。例えば東京では都営の乗り物以外にはありません。田舎の富山の方が進んでいる部分です。
各鉄道会社にとって障害者割引、特に近距離単独利用は義務ではありません。我々はルールを守る義務を果たすことで、割引を受ける権利を得ます。不便でも不思議でもルールはルールですから、面倒でも守るしかありません。ただ、現状、利便性が悪く、その必要性が理解できないのも事実です。今後、あいの風とやま鉄道様には割引いただいていることに感謝をお伝えしつつ、利便性向上のため、現行ルールの見直し、あるいは不思議ルールの必要性について、ご説明をお願いしていこうと思っています。
あいの風とやま鉄道の障害者割引ルール(確定版)
2022年6月9日
今回はあいの風とやま鉄道の障害者割引についての続報です。あいの風とやま鉄道様にお伺いして正式なルールを明確にしました。「以前はこうだった」などのご経験をお持ちの方も多いと思いますが、こちらが確定版になりますので、以前の経験ではなく、こちらを優先してください。先方にも駅ごと・職員ごとの違いがないようにお願いしてあります。
1 通常
駅の窓口で障害者手帳(ミライロIDも可)を提示して障害者割引切符を購入して乗車します。検札を受けることもありますので、障害者手帳は所持していてください。(この場合のミライロIDは不可)切符は1か月先まで購入できるので、あらかじめ買っておくこともできます。また、定期券や回数券にも障害者割引は適応されます。
2 例外
無人駅から乗車する際は切符を購入せず、降車駅の有人改札で乗車駅を申告して精算してください。また、降車駅も無人駅だったり、有人駅でも職員が不在だったりの場合は運賃箱にお金を入れてください。介助者が同伴しているなどで自動券売機が使える状況でもこのルールに従ってください。
3 運賃箱とは
運賃箱は「集札箱」あるいは「着札箱」と表記されていることもある大きな箱で、主に無人駅などで降車した後に使用した切符を納めるところです。切符もお金もここに入れます。置いてある場所は駅によって統一性はありません。有人駅でも改札に職員がおられない場合があるので、運賃箱は必ずあります。たいていはICカードをタッチする機械の近くにあります。古い駅では改札付近の壁に張り付いていることが多く、新しい駅では出入り口付近の通路の真ん中に立っています。運賃箱はその大きさの割に切符やお金を入れる口はそれほど広くないので
ご注意ください。
4 路線外
あいの風とやま鉄道以外、IRいしかわ鉄道や越後トキメキ鉄道のように旧JR北陸本線の駅へ行く場合も、上記の1~3のルールは適応されます。ただし、高山線や氷見線のように現JR西日本の駅は障害者割引のルールが全く違いますので改めてご確認ください。
5 その他、大事なこと
①障害者手帳は必ず所持していてください。
②小人切符で代用しないでください。
③降車駅の運賃箱の場所は知っていると便利です。
④小銭の準備はあった方がいいです。
最後になりますが、障害者割引はあいの風とやま鉄道様が提供しているサービスのひとつです。必ず上記のルールを守ってください。何かの理由で守れない項目がある場合はこのサービスを受けず、普通運賃でご利用ください。
障がい者用Suica
2023年12月15日
今回はJR東日本の下室勝先生からご講演いただいた同社の障がい者用Suicaについてのお話しです。
障がい者用Suicaは2023年3月18日から始まるサービスで、障がい者カードと介護者カードを1対で使うことで障害者割引を受けられるものです。障害者手帳1種の方がJR東日本のみどりの窓口で購入でき、1年ごとの更新が必要です。障がい者カードは記名ですが介護者カードは無記名なので介護者が変わっても使うことができます。ただし、使用できるのは首都圏のSuica・PASMOエリアや東北地方で、富山県内の鉄道・バスでは使えません。また、モバイルSuicaには対応していません。
2024年春にはJR西日本から同様の障がい者ICOCAのサービス開始が予定されており、こちらは、あいの風鉄道でも使えるのではないかとのことでした。ただし、障がい者Suicaと障がい者ICOCAの相互利用の予定は立っていません。
さて、この研修会では下室先生が私たちの質問にたくさんお答えくださいました。その中で教えていただいたことをいくつか書いておきます。
あいの風鉄道ではやってはいけないとされた「券売機で小人切符を2枚買って改札口で手帳を提示する」方法はJR東日本ではやっていいそうです。
また、JRの単独利用で移動距離が100キロ以内は割引対象外になりますが、あいの風鉄道やIRいしかわ鉄道も移動距離のうちに含めていいそうです。例えば、越中八尾から石川県の小松まで、JR西日本→あいの風鉄道→IRいしかわ鉄道→JR西日本と乗った場合でもすべての区間が障害者割引の対象になります。
さて、富山県在住、単独移動の多い弱視の私としては今回ご講演いただいた障がい者Suicaを使うことはほとんどないと思います。鉄軌道王国を自称する富山県下の鉄軌道がすべて一律の障害者割引を受けられる日が来ることを願っています。そして、手元で残金などを確認できるモバイルで利用できる日が来ることを願っています。
最後になりますが、このお話は2023年11月25日時点でものであること、下室先生はJR東日本の方で、他社の事柄については改めてそれぞれの鉄道会社からの公式発表を優先していただくことをご理解ください。
JR西日本の障害者用ICカード
2024年3月13日
JR西日本の障害者用ICカードについてです。
以前の「お知らせ28号」でも書きました「障がい者用suica」とほぼ同様のサービスが3月16日より実施されます。障害者カードと介護者カードをそれぞれが持って自動改札にタッチすることで障害者割引運賃が適応されるものです。それぞれのカード単独での使用や乗降駅が異なる場合には使えません、ただし、障害者の単独利用でも割引が適応される路線については障害者カード単独でも使用できます。
詳しく説明していきます。まず、名前は「スルッとKANSAI、特別割引用ICカード」です。「ICOCA」ではありません。カードは「スルッとKANSAI協議会」が発行して、JR西日本やあいの風とやま鉄道はそこに加盟する鉄道会社です。富山県の近隣で加盟している鉄道会社はJR西日本、あいの風とやま鉄道、IRいしかわ鉄道、ハピラインふくいです。富山地方鉄道や加越能鉄道は含まれていません。また、JR東日本やJR東海とも今のところ互換していません。
カードの申し込み方法です。まず、以下のものを準備してください。
①第1種の障害者手帳の写し
②申込書
駅窓口にあります。
③特別割引用ICカード手帳確認届
駅窓口にあります。ただし、もらうには本人確認が必要です。
手帳を持って本人が窓口に行ってください。
④本人確認書類の写し
①の手帳の写しに氏名・生年月日・現住所があれば不要です。
以上の①から④を「スルッとKANSAI特別割引用ICカードサービスセンター」へ郵
送います。
カード取得後は1年ごとに継続利用確認の手続きが必要になります。
さて、このカードを使う上でのメリット、未解決問題、重大注意事項を書いておきま
す。
メリット1
介護者との二人利用がとても便利になります。いちいち切符を窓口で買う必要がな
く、無人駅から乗っても改札で精算する必要もありません。運賃がわからなくても残高があれば乗れます。
メリット2
あいの風とやま鉄道やIRいしかわ鉄道で単独乗車が便利になります。割引運賃でICカードが使えるようになります。
メリット3
今のところ所持するデメリットがほとんどありません。
未解決問題
単独利用の場合割引制度が異なるためJR西日本と他社との乗換では使えません。
おそらく使えますが、使うとマズイことになります。(後述)
注意事項1
このカードは関西地域など広い範囲で使えます。単独利用の場合は割引が適応される路線とされない路線が混在しています。しっかり確認してから使ってください。マズイことになります。(後述)
注意事項2
このカードを持っていて手帳の携帯は求められています。しかも車内検札の場合、ミライロIDは不可です。
重大注意事項
マズイことについてです。おそらくですが、このカード、単独利用で割引が適応されない路線でも加盟している会社であれば割引運賃で利用できてしまう可能性があります。例えば、JR西日本の氷見駅から一人で乗って、高岡駅で介護者と待ち合わせて、あいの風とやま鉄道の小杉駅で、二人で改札を出る、なんてことができてしまう可能性があります。「通れたからOK」とか「問題がないから通れたんでしょ」ではダメなんです。知っててやったら犯罪で、知らずにやっても迷惑行為です。ご注意ください。
くわしくは「スルッとKANSAI」のホームページかサービスセンターにご確認くださ
い。
ホームページ
https://www.surutto.com/tkwric/
サービスセンター
06-7730-9860