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視覚障害者関連トピックス
拡大鏡(デジタル)と単眼鏡(アナログ)
2022年9月5日
今回は拡大鏡と単眼鏡のお話です。
私はかなり視力の悪い弱視ですので、手元の文字を読むにしろ、遠くの文字を読むにしろ、アイフォンの拡大鏡機能を多用しています。とても便利です。近年、ポータブルタイプの拡大読書器も多数販売されていますが、たいていのことはアイフォンでできる上に画像の保存やSNSでの共有も便利です。また、荷物にならないことが助かります。さらに街中で使用する際も単眼鏡のように一般人の持たないアイテムを使用するわけでもないので、自然に使うことができます。
アイフォンの拡大鏡のメリットをまとめてみます。
1 いつも身に付けているので、いつでも使える。
2 遠距離から近距離までオールレンジで使える。
3 暗いところでも使える。
4 外出先で一般の人達の中でも比較的自然に使える。
5 荷物を少なく抑えられる。
6 撮影して画像の保存ができる。
7 SNSで共有しやすい。
さて、このようにメリット満載ですが、欠点も2つあります。
1 アイフォンのバッテリーに負担がかかる。
2 場面によっては盗撮を疑われる。
最近のアイフォンではいろいろなことができます。電話をかけて、デイジーを読んで、音楽を聴いて、地図を見て、ネットを調べて、などなど。バッテリー容量も年々増えていますが、あれやこれや使っていればいずれバッテリー切れになり、上記の全てができなくなってしまいます。
また、コンサート会場や美術館など撮影禁止の場面で使えば盗撮を疑われてしまいます。ここで登場するのが単眼鏡です。単眼鏡は、昔は弱視者の必須アイテムでした。ただ、近距離で使えない、視野が狭い、高倍率ほど暗くなるなどの理由から使い勝手はあまりよくない、そう思い込んでいました。
先日、コンサートに行って、単眼鏡を家に忘れたことに気づき、近くの家電量販店で新しいものを買いました。店内で単眼鏡コーナーを見てビックリです。高倍率で明るい。軽くてオシャレ。道具は時代と共に進化することを実感しました。中でも特に気に入ったものをご紹介します。
ケンコー、ウルトラビューシリーズ(価格はメーカー通販より)
ブルー、7~21倍、3781円
ホワイト、10~30倍、5380円
レッド、15~50倍、7580円
ボディーカラーは倍率ごとに異なります。私はホワイトを購入しましたが、30倍でも数万人規模の会場で十分でした。明るさも十分で、少し慣れれば見たいところをじっくり見ることができました。これ以上の倍率にすれば、アーティストの表情まで確認できると思いますが、一脚を使うなどの手振れ軽減の対策が必要になります。ちなみにアイフォンの拡大鏡は15倍までです。仮に30倍ズームができたとしてもデジタルズームでは画像が暗い上に粗く、さらに固定性が悪くなるので手振れがひどくて見られたものではなくなるはずです。
便利な道具も場面ごとで使いようですね。
ロボタクシー
2022年9月8日
今回はロボタクシーのお話です。
自動車の自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)は自家用車に普通に搭載されています。これをさらに進化させた自動運転は、技術的には可能で実証実験の段階にあります。近年の自動運転の進化にはめざましいものがありますね。富山でも自動運転可能な小型電動バスが富山駅北を走っていたことがあります。我々視覚障害者の越えられない大きなハードルだった「車の運転」があと一歩で手が届くところまで近付いてきたとは言えないでしょうか。私は先天性の視覚障害ですから、幼い頃、テレビで見たアメリカのドラマ「ナイトライダー」の時代がいつ
か来ることを夢に見ていました。
さて、そんな自動運転の車をタクシーとして使った「ロボタクシー」がアメリカで実証実験を終え実用化されたそうです。これはスマートフォンのアプリなどで配車を依頼すると無人のタクシーが指定した場所へ迎えに来ます。お客さんが乗車すると目的地へ運んでくれます。運転手がいないだけで普通のタクシーと変
わりないようです。目的地の変更などは車内からコントロールセンターに電話することで対応しているそうです。
これまで運転をアシストしてくれる機能はいろいろと実用化されていましたが、アシストということで運転手は必要でした。完全に無人の車内に自分だけが乗って道路を走るのは少し怖い気もします。安全性が信用できるのかは気になるところです。
今回はアメリカで実用化されたというお話でしたが、中国でも実証実験は進んでいて来年には実用化されるそうです。中国車の場合、1台のお値段は490万円。ただし、システムの使用料などは別。
私の幼い頃の夢、愛車に向かって「キット、トーカマートまでやってくれ」と言える日はすぐ近くまで来ているのかもしれません。
ゆうちょ銀行の窓口における送金の視覚障害者割引
2022年12月27日
ゆうちょ銀行で送金を窓口で行うのとATMで行うのとでは手数料に差があります。当然、窓口で行う方が手数料は高くなるんですが、ATMの操作を苦手とする視覚障害者は必然的に窓口を利用することになっていると思います。そこで、視覚障害者が窓口で手続きを行った際のATMとの差額分をなくしてくれるサービスです。ですから、手数料がすべて無料になるというものではありません。また、送金は送金先
や送金方法や金額などの違いでそもそもの手数料の金額がまちまちに設定されていますのでご注意ください。
割引を受けるには視覚障害者本人が窓口で障害者手帳を提示することが条件となります。そして、そこの郵便局のATMで可能な手続きのみになります。代筆・代読サービスとは全くの別物で、「ATMを自分の代わりに無料で送金操作してくれるサービス」と理解するのがわかりやすいかと思います。
この他にもゆうちょ銀行では次のような視覚障害者向けサービスを行っています。
目の不自由なお客様が利用しやすいATMの設置
キャッシュカードの点字対応等
代筆・代押捺手続きについて
WEBサイトのアクセシビリティ向上
くわしくは以下のURL、ゆうちょ銀行サステナビリティサイト、「障がいのある
お客さまへの対応」のページをご参照ください。
https://www.jp-bank.japanpost.jp/sustainability/social/customer/disability/
高速道路・有料道路の障害者割引拡大
2023年2月20日
これまでも障害者手帳1種の方に高速道路・有料道路の障害者割引(50%)はありましたが、事前に登録してある自動車に限定されており、自分の自動車を持たない視覚障害者にはとても使いにくいサービスでした。それが3月27日からは対象となる自動車が格段に増えることになりました。家族の自動車はもちろん、友人・知人の自動車に加え、タクシーやレンタカーまで対象となります。とても助かります。
この割引サービスを受けるには事前登録が必要です。障害者手帳を持って市町村の福祉窓口へ行き、手続きしてください。この登録は2年ごとの更新が必要です。すでに自家用車などの登録を済ませている方もそれ以外の自動車で割引サービスを受けるには改めての登録が必要です。ただし、その場合は窓口だけでなく、オンライン申請が可能です。マイナンバーカードとマイナポータルを準備してパソコンかスマホに向かってください。
さて、実際の利用についてです。事前登録してある自動車の場合は今までどおりです。それ以外の今回、拡大された対象の自動車の場合は必ず人のいる料金所へ行って障害者手帳を提示してください。ETCは今のところダメです。
ただし、「乗用自動車」以外は対象外となります。「乗用自動車」とは「乗車定員10人以下で貨物自動車や特種用途自動車以外の自動車」とのことです。ですから、「長距離運送会社を作って私が2トン車の助手席に座ればウハウハ」とか、「大型バスのバスガイドになればウハウハ」とかはできません。また、視覚障害者協会の旅行で大型バスに大人数の対象者が乗っていても割引は受けられません。その場合は「乗用自動車」を何台も連ねて分乗すれば割引は受けられますが、運転手さんたちの人件費の方が高額になってしまうと思われます。協会の役員としてはとても残念です。
さてさて、説明は以上になりますが、さらに詳しい内容については以下のホームページやフリーダイヤルをご利用ください。
NEXCO中日本様ホームページ
https://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_release/5638.html
NEXCO中日本お客様センター様(24時間)
0120-922-229
障害者手帳で行こう
2023年5月15日
障害者手帳を提示したら入場料が無料になったり、割引になったりする施設がたくさんあることは皆さんもよくご存じだと思います。ただ、全国のどこの施設がどのくらい割引になるのかを把握してる人なんていませんよね。今回ご紹介する「障害者手帳で行こう」では障害者手帳の提示で割引・無料になる全国の施設の一覧を見ることができます。
都道府県・市区町村別、施設のジャンル別に一覧が見られます、博物館や美術館のようなミュージアムや体育館やプールのようなスポーツ施設、遊園地や水族館のようなレジャー施設、その他にも宿泊施設や交通手段の記載もあります。地元のどんな施設で利用できるのかはもちろん、旅行先で利用できる施設を探すこともできます。かなりたくさんの施設が記載されているので、行く予定のない地域でも「こんな施設があるんだ」なんて見ているだけでもなかなか面白いサイトです。
さらに施設名をクリックすると、正規料金や割引額、割引方法はもちろん所在地や地図、連絡先、公式サイトまで見られる親切設計です。
ただ、このサイトはとても面白いのですが、パーフェクトではありません。じっくり見てみるとごく稀にですが、すでに閉館した施設が載っていたり、全く違う地域に混ざっていたりすることがあります。もしかしたら抜けている施設もあるのではないかと思います。つまり、信用性が今ひとつです。ですから、様々な割引条件が正確かどうかも公式サイトで確認が必要かと思います。
とはいえ、面白いサイトであることは確かです。「実際に施設を利用する際には公式で確認」さえしっかりしておけば、とても有用な情報サイトだと思います。皆さんも一度ご覧になっていただければと思います。
「障害者手帳で行こう」URL
shogaisha-techo.com
JRの障害者割引乗車券がネットで買えるようになりました
2024年3月13
JR東日本、西日本の障害者割引乗車券がインターネットで買えるようになりました。
JRの切符はみどりの窓口で並んで係りの人に障害者手帳を見せて、口頭で注文して購入していました。待ち時間もあり、後ろにもたくさん人が並んでいて焦ってしまうことはありませんでしたか?特に買うつもりだった列車が満席だったり、乗ったことのない路線だったり。
2月からJR東日本は「えきねっと」、JR西日本は「e5489(イーゴヨヤク)」で、インターネット上で購入できるようになりました。
ネット上で焦らず吟味して列車を選んで、カード決済、駅の発券機で発券。新幹線はeチケットで、スマホを使って乗ることもできます。
発券機での発券にやや困難を感じてしまいますが、最近の発券機はしゃべります。マゴマゴしていたら「中の人」が使い方を教えてくれる親切設計です。それでも不安のある方は窓口に並ぶことになりますが、スマホの画面を見せて発券してもらいたいだけですから焦ることはありません。
とても便利なんですが、少々準備が面倒くさいのが欠点です。
まず、マイナンバーカードを作ります。これは現住所の市町村の役所です。そして障害者手帳を登録します。これは手帳を発行した都道府県や市区町村の役所です。同じ役所なら一緒にできます。
次にマイナポータルにマイナンバーカードをひも付けします。これはスマホでできます。そして最後に「えきねっと」や「e5489」にマイナポータルをひも付けします。これもスマホでできます。これらのひも付けはパソコンでもできますが、マイナンバーカードのICチップを読み取るリーダーがパソコンに付いていないとできません。
私の説明ではわかりづらかったかもしれませんので、詳しく説明してくれているユーチューブ動画を紹介しておきます。
https://youtu.be/Yzrt67BG6LY?si=-F47XLydnakbYWPh
新紙幣
2024年4月13日
今年7月3日から導入される新紙幣の識別についてです。 新紙幣は1万円札、5千円札、千円札の3種類です。現行の紙幣と比較しての変更点を国立印刷局のホームページなどを基に説明していきます。 まず、紙幣の大きさは現行紙幣と変わりませせん。しかし、ユニバーサルデザインの面ではかなり識別しやすくなっています。1 認識マーク位置 11本の細かな斜め線を指先で触って確認することができます。紙幣ごとに認識マークの位置が違います。 1万円札は、左右両端の中央部 5千円札は、中央部の上下 千円札は、左下と右上の隅2 透かし位置 光に透かすと肖像画が見える白っぽい部分が紙幣ごとに位置が違います。 1万円は、中央やや右 5千円は、左隅 千円は、中央3 額面数字 「10000」、「5000」、「1000」の額面数字がアラビア数字で大きくなりました。4 3Dホログラム位置 3Dホログラムはキラキラ光る縦の帯状のもので、紙幣ごとに位置などが違います。 1万円は、左隅 5千円は、中央やや左 千円は、なし 新紙幣が導入されるのは7月3日から、我々の手元まで回ってくるのはもっと先になると思います。移行期間には新紙幣と旧紙幣が入り混じることになります。額面の同じ紙幣は大きさが同じで、色合いも似ていま思いますが、注意は必要です。なるべく識別のしやすい新紙幣の方を手元に残すことをお勧めします。 新紙幣についての詳しい情報や画像は国立印刷局のホームページをご覧ください。 https://www.npb.go.jp/ja/n_banknote/index.html